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2007年5月20日 (日)

【新潟の】横山操と三芳悌吉【宝物】

先週の日曜日は、長岡市にある巨大SC『リバーサイド千秋』
に行ってきました。にゃんけさんお気に入りの『カルディコーヒ
ーファーム』があるからです。(新潟市には無い_| ̄|○)

『カルディ…』は、コーヒーの他に輸入食品なども扱っていて
ちょっと変わった食べ物が置いてあります。入り口でコーヒー
を貰い、それを飲みながら店内を散策するという面白い店です

『カルディ…』でウマものを買い込んだ後は、近くにある
『新潟県立近代美術館』へGO!6月までの企画展として
「横山操・そして現在…変わりゆく日本画展」を見に行くから
です。

新潟県立近代美術館
建築物としてもとても綺麗な建物です
0705202

「横山操」(1920~1973年)新潟県出身の日本画家。
一見すると忘れようのない独特の画風の持ち主で、洋画と
見間違う様な作風と壁一面に描かれる大作が特長の人です。

けう家は昔、この人の『溶鉱炉』という作品を見て、物理的と
も言えるその圧倒的な絵のチカラに参ってしまい一気にファン
になりました。(なんて言うか藤田和日朗の作品『うしおととら』
に出てきた「羽生礼子」のオヤジが描く作品みたいな絵^^;)

その時に見た『ブランコ』という作品に至っては、何というか
こう”異世界への入り口”みたいな怖さを感じてしまい、あまり
のインパクトの強さにこの作品のポストカード^^;を買って
しまったほどです。

ホント、作品としてはただのスケッチで、普通に公園にある
ようなブランコを描いてあるだけなんだけど、それがなぜか
とても怖いんですよ!他の大作にあるような圧倒的な強さは
感じないんですが、会場でそこだけポッカリと空間に穴が
空いているようなとても不思議な絵で、どうしてもそれが目に
付いてしまう位インパクトが強かった。

今回の企画展で久々に見た横山操の作品は相変わらず圧倒
的、青龍賞を取った有名な『炎炎桜島』もよかったけど、となり
にあった『十勝岳』のほうが”来ました”ね~、もうね火砕流!
「逃げてぇ~超にげてぇ~!!」^^;って感じの絵。

轟く噴火音、一瞬にして融け泥流となって押し寄せる山麓
の雪。時速100kmにも達する火砕サージの熱風さえ感じさ
せるこの絵、2.4mX6.3mという大きさもあって、この絵の
圧倒的なチカラの前にしばらく見入ってしまいました。

あと『高速四号線』ね。昭和39年の作品なんだけど、たぶん
東京オリンピックに向けて建設中の高速道路なんでしょう。
時代は高度成長真っ最中、オリンピックに向けて”上げ潮じゃ
あい!”というこの頃を描いた作品にしてはダークな感じ(笑)

なんかね、もう「建設中」というよりは「解体中」^^;「押井守の
描く”世紀末のTOKYO”じゃないんだからさ~」って感じの絵
白地に墨(?)で描かれた建設機械と足場の中で、そこだけ
真っ赤な高速道路の橋脚。

黄昏か血の色に見える橋脚は、朽ち果てた未来の東京を
暗示するかのよう。これも2.4mX4.8mという巨大さ。

しかし同じ頃の東京タワーを描いたと思われる『TOKYO』は
なぜか心が和みます。回りに高い建造物などまだ何もない
頃の東京タワー。

周囲を200mを越す建物に囲まれ、その存在感すら微妙に
なった寂しげな今の東京タワーと違い、ここに描かれた東京
タワーは唯一の高層建築として周囲を睥睨する、王者として
の自信に満ちていて、回りの低層建築物をやさしく見守って
いるかのように感じられます。

この作品、製作年を見ると昭和43年となっていて、この頃の
作品を見ると『ふるさと』とか『新月富士』のように、なんだか
「あたたかさ」や「やさしさ」を感じさせる作品が多いような
気がしました。作者にどんな心境の変化があったのでしょう。

特別展の「横山操」を見てもうオナカいっぱいになったのです
が、常設展のほうも見ることのできるチケットだったのでそちら
も見ることに。

常設展では「三芳悌吉の世界展」をやっていました。こちらも
新潟で育った(生まれは東京)画家で写実的な画風の洋画家
です。けう家は「なんか名前に覚えのある画家さんだな~」と
思いつつも、どこで見たのか思い出せず「まあ時間も無いこと
だし、軽く見て帰ろう♪」なんて思っていました。

ところが、ブースを二つほど回ったところでにゃんけさんが
驚いた表情で「こっちこっち!早よ来い!これ見れ」と呼ぶでは
ありませんか。「なんだぁ~」と指さす方へ行って見ると…

そこに見たモノは、けう家大好きな絵本『ある池のものがたり』
(1986年・福音館書店、第10回「絵本にっぽん賞」受賞)の
原画ではありませんか!なんと三芳悌吉は『ある池のものが
たり』の作者だったのです、もうすっかり忘れていました^^;
(なにしろ20年位前に買った絵本なんで…)

この本は、新潟市中央区の西大畑町という所に実際にあった
『異人池』という池と、その脇に建っているカトリック教会の
明治・大正・昭和の三代に渡る物語です。

明治から100年に渡る新潟の様子が、その時代の植物・動物
とともに美しく正確な絵で表現されており(三芳さんは当時の
写真などを詳細に調査しこの絵本を書き上げたそうです)
生き生きとしたその絵は、当時の新潟を見ているような気に
させてくれてとても好きな絵本です。

今回、思いも掛けずその絵のホンモノを見ることができてとて
も幸運。ホンモノの絵はやはり違います(当たり前か^^;)
水彩で描かれた小さめの絵は、印刷の絵本とは違い色の出方
があざやか、筆の細かな動きまでが判るようです。

この展示では実際に本になった絵だけでは無く、作者の構想
メモや試作の絵。さらには担当編集さんの意見が書かれた
付箋(!)までもが展示してありとても充実していました。

特に試作の絵は、絵本と同じ絵のアングルを変えたものや
構想は同じでも全く違うものを描いた絵などがあり、この本が
好きなものにとってはもうお宝のような作品です。

三芳悌吉を堪能した後は、常設してある他の絵も見ます
この美術館のコレクションの中でお気に入りの絵は
『冬枯れの道路』~岸田劉生の1916年の作品です。
この絵はもうずっと見続けていても飽きません。

小高い丘の乾いた切り通しを通る一本の道が描かれたこの絵、
じっと見ていると道の向こうから何かがやってくるような、道の
向こうに何かがあるような、そんな不思議な気持ちにさせて
くれる逸品です。(けう家はマジにこの絵が欲しい^^;絶対
買えないけど)

今回この絵を見て判ったことが一つ、この絵に描いてある
場所が”原宿”だったということ。いやぁ、これが原宿だって
判ったときはさすがにオドロキましたね、だって何にも無いん
ですよ!赤茶けた田舎道が一本あるだけ、もうねホント田舎
笑っちゃうくらいのイナカ、○○郡XX村大字△△って感じの
田舎に見える。

でも、家に帰って明治30年(1897年)の東京の地図を確認
したところ(けうさんは地図も大好きなので、明治30年の地図
なんかも持っていたりします^^;)その頃の原宿はもうホント
田舎だった(笑)畑・水田・茶畑(!)に松林、小川が流れ
標高差10m程度の丘には一本の道が…まさにあの絵の風景
がその地図には描かれていました。

さて、全然期待していなかった常設展ですが、思いもよらず
貴重な作品を見ることができて、「ちょっと見て帰ろう」なんて
思っていた所がなんと3時間もこの美術館に居ることになりま
した。

企画展の「横山操、そして現在」が6月3日まで、常設展の
「三芳悌吉の世界展」が6月17日までやっていますので
興味のある人はぜひ1回見てみてください。
(特に横山操はホント見て損の無い作品です、圧倒されること
請け合いです)

美術館のイスに座り込むカエル
このイスはものすごく座り心地が良いです
自分家に欲しくなるくらい気持ちいい。
0705201

美術館の中、天が高くて
開放感がある建物です
(撮影はにゃんけさん)
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